世界を見渡すと、インド以外の新興国は総じて構造的な成長停滞期に移行し、米国依存の高い中国やメキシコは先行きが不透明になってきました。一方インドは高度な教育を受けた若者人口の豊富さと経済基盤の底力により、消費国としても生産国としてもバランスが取れた、安定的な高度成長が続くと考えられます。
2016年のインドの自動車生産(商用車含む)は400万台を超え、韓国を抜いて世界第5位になり、2輪車は、2,000万台に迫っております。国家のMake in Indiaの政策により、スマホなどの電子部品やその他民生品の生産の拡大も期待される一方、価格競争力と品質の向上により、インドは世界最廉価工業製品の生産拠点として各国への輸出ハブになることが期待されます。
議会制民主国家であり、政治も経済も安定しています。契約や工場所有権を尊重する誠実な社会風土などを勘案すると、BRICsの中で最も進出リスクが小さいと考えられます。
インドは昔から親日的です。またインドの産業界は日本の企業の技術力を高く評価しており、インドに於いてともに発展することを望んでおります。
公用語はヒンズー語ですが、管理職レベルは英語が通用します。また、労働者階級の人でも、日本語の習得能力は極めて高いことが知られています。
経済発展に伴い雇用も増えていますが、失業率は推定50%ともいわれ、採用側にとっては極めて有利な状況にあるといえます。また、IIT(インド工業大学)はじめ、知的レベルの高い人材が多い知的立国などともいわれています。
かつては国内保護的な法規制が多い上に法律や行政が複雑で、海外からの投資の妨げになっていましたが、近年の開放政策とともに法律や税制の改善で簡略化が進んでいます。